「そろそろ採用動画を作った方がいいよね」
そう言われて動き出したものの、
・何を撮ればいいのか分からない
・他社と同じような動画になりそう
・社内で意見がまとまらない
こんな状態のまま制作に入ってしまうケースは少なくありません。
実は、採用動画がうまくいくかどうかは、撮影前にほぼ決まっています。
今回は、制作に入る前に必ず決めておくべき3つのことを、映像制作の現場視点で整理します。
採用動画は、ターゲット設定が曖昧なまま作ると、ほぼ確実にぼやけます。
最初に決めるべきなのは、「この動画で、誰に応募してほしいのか」です。
よくあるのが、
・若手がほしい
・明るい人がいい
・やる気のある人
といった、少し抽象的なターゲット設定。
これでは、動画の方向性は定まりません。
重要なのは「来てほしい人」と「来なくていい人」
採用動画は、多くの人に好かれる必要はありません。
むしろ、
・どんな価値観の人がいいのか
・どんな働き方を求めているか
・どんな人は合わないのか
ここまで整理できると、
「何を映すべきか」「何を言うか」が自然に決まります。
次に決めるべきは、この動画が採用活動の中で、何を担うのかです。
採用動画に期待されがちな役割は多岐にわたります。
・会社説明
・仕事内容紹介
・社風アピール
・志望度アップ
・不安解消
しかし、1本の動画ですべてを伝えようとすると、何も残らないことが多いです。
例えば、
・文章や写真では伝わりにくい「職場の温度感」を感じてもらう
・説明会前に見てもらい、理解を深める
・応募前の不安を和らげる
など、役割を1つ決めるだけで構成は大きく変わります。
「この動画を見終わった人に、どう感じてほしいか」
ここを言語化することが重要です。
採用動画を作ると、つい会社説明を全部入れたくなることがあります。
・会社概要
・事業内容
・強みや実績
ですが、これらはすでにサイトや資料で伝えられる情報です。
採用動画は、会社を良く見せるための映像ではありません。
「ここで働くイメージが持てるか」
「自分に合う会社かどうか」
その判断を助けるための映像です。
だからこそ、
・情報を詰め込みすぎない
・ナレーションで説明しすぎない
・価値観や空気感に焦点を当てる
といった引き算が重要になります。
撮影前に「説明する領域」を明白にしておくことで、
採用動画は意味のある映像に変わります。
採用動画がうまくいく企業ほど、
カメラを回す前の整理に時間をかけています。
今回の3つを振り返ると、
1、誰に来てほしいのかを具体的に決める
2、採用動画で「伝える役割」を決める
3、会社説明にしないと決める
この3点が揃っていれば、
採用動画は「とりあえず作った映像」ではなく、
応募前に判断してもらうための映像になります。
採用動画は「作ること」がゴールではありません。
採用課題をどう解決するかが本来の目的です。
だからこそ、
撮影に入る前に一度立ち止まり、
何を決めるべきかを整理することが、何より重要です。
MEAL RECORDSでは、採用動画を「何かを強く伝えるための映像」だとは考えていません。
映像を通して伝えたいのは、その会社に流れている空気や、日々の仕事の中にある自然な時間です。
見る人が、
「ここで働く自分」を無理なく想像できること。
合うかどうかを、自分の感覚で確かめられること。
言葉や説明で埋めすぎず、感じ取る余地を残すこと。
それが、MEAL RECORDSが採用動画づくりで大切にしている姿勢です。