企業で動画制作を検討するとき、多くの担当者が直面するのが「稟議」の壁です。
「本当に必要なのか?」
「他の施策より優先度は高いのか?」
「費用対効果はどう説明するのか?」
特に100万〜300万円規模の動画制作は、感覚的な説明では通りません。
重要なのは、“映像を作る理由”ではなく、“経営課題との接続”を示すことです。
稟議が通らない3つの典型パターン
まず、多くの否決理由は次の3つに集約されます。
1. 目的が抽象的
2. 成果指標(KPI)がない
3. 他施策との比較がない
「会社の魅力を伝えるため」「ブランド向上のため」といった表現では、判断材料になりません。
承認者が知りたいのは、「それで何が改善するのか」です。
稟議を通すための3つの整理軸
1|目的を“経営課題”に変換する
例:
・採用応募数を月20件→30件に増やしたい
・営業説明時間を1回あたり30分削減したい
・展示会でのリード獲得数を1.5倍にしたい
動画はあくまで手段です。
目的が数値化されて初めて、投資として説明できます。
2|成果指標(KPI)を明確にする
例えば採用目的であれば:
・応募数
・エントリー後の辞退率
・面接通過率
営業目的であれば:
・商談化率
・資料請求後の成約率
・滞在時間
「動画を作る」ではなく、「KPIを改善するためのツール」として提示することが重要です。
3|他施策との比較を示す
承認者は常に「他にもっと効果的な方法はないか?」と考えます。
例:
広告媒体を1媒体追加 → 年間約150万円
ただし露出増のみで、企業理解の質は変わらない。
動画制作200万円 →
Webサイト・説明会・SNS・営業資料に3年間活用可能
年間換算すると約67万円。
このように期間換算や活用範囲を示すと、投資判断がしやすくなります。
稟議説明例(200万円の採用動画の場合)
以下は、実際に使える説明構成です。
目的
応募数を月20件から30件へ増加させる。
現状課題
会社理解不足による辞退率が高い。
説明会での伝達にばらつきがある。
施策
採用動画を制作し、Webサイト・説明会・SNSで活用。
企業文化・働く環境を可視化する。
期待成果
応募数増加、辞退率改善、説明会効率化。
費用対効果
制作費200万円。
3年間活用想定で年間約67万円。
媒体追加より長期的資産価値が高い。
このように、
「目的 → 課題 → 施策 → 成果 → 投資回収」
の順で整理すると、承認率は大きく変わります。
100万〜300万円の動画投資が向いているケース
・採用に明確な課題がある
・営業効率を改善したい
・展示会やWeb流入を強化したい
・企業ブランディングを再構築したい
逆に、「とりあえず作りたい」という動機では通りません。
最も重要な視点
動画制作を、
× クリエイティブ費
○ 経営課題解決の設計投資
として説明できるかどうか。
ここが分かれ目です。
100万〜300万円の映像制作は、決して小さな投資ではありません。
しかし、目的・活用・成果設計が明確であれば、
それは単なる制作費ではなく、企業の資産になります。
企画が固まっていない段階でも、
稟議設計から整理することは可能です。
動画制作を検討する際は、まず「どう作るか」ではなく、
「何を改善するための投資か」から考えてみてください。
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